今回は「親子関係悪化のストレス」に焦点を当て、とくに子供の目線から見た親との関係、その関係に疲れる理由、またそのお悩み対処法についてご紹介します。
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親子関係が悪化する原因は?
親子関係という人間関係は、一番近い関係だからこそ悪化しやすいものです。良い関係を保つためにはお互いの努力が不可欠です。
親子関係といっても、やはり1人の人格を持った者同士の関係になるため、当然そこにはギクシャク感が生まれたり疲労が生まれたりするものです。
今回はその辺りについていろいろ検証していきますので、どうぞご参考下さいませ。
子供は親の評価に敏感!
世の中には「エディプスコンプレックス」という言葉がありますが、これに似た感覚で「親からの評価を無心する子供の心理」というのがあります。
これは息子・娘の違いで悩みの内容も違ってきます。
息子の立場の心理
息子の場合は、父親に対しては「認めてもらいたい」という気持ちが働き、母親に対しては「いつでも包容してもらいたい・(母親を)守りたい」という心理が働くものです。
娘の立場の心理
娘の場合は、父親に対しては「自分を女性として認めてもらいたい」という気持ちが働き、母親に対しては「一人前の人間として認めてもらいたい」という心理と、同じ女性として張り合う心理が働きます。
これを背景にした上で、息子でも娘でも共通して言えることは、両親からそれなりに一人前として「認めてもらいたい」という気持ちが働いています。
これは本能的・潜在的な心境によるものなので、この評価に対してはとても敏感です。
夫婦喧嘩は子どもが「自分を責める要素」になってしまう
先述のように、子供というのは親からの評価にとても敏感です。
だから、たとえば「親からの評価が満足にもらえない」と思える状態が続くと、子供はさらにちょっとしたことでも良いから〝自分を認めてほしい〟という気持ちになりそれが高まるものです。
息子の場合も娘の場合も、親の権威については平等に感じます。つまり父親でも母親でも「自分の親であることに変わりはない」といった心境です。
評価をもらう相手が親ならば、その親の存在は子供にとって絶対者となります。その「親」がいなければ、自分は存在しなかったとまで思い込むのです(これは潜在意識の中で)。
この心理を踏まえた上で、もし両親が何らかの理由で喧嘩をした場合、「その喧嘩は自分のせいだ」と子供は思います。
そしてこれが子供にとってのストレスになります。
この状況が長く続けば続くほど、子供にとっては耐えがたい状況になるでしょう。
さらに親子関係がギクシャクする理由になります。
親のほうが強い立場だという考えからの親子関係
親子の関係というのは、言うまでもなく「親のほうが子供より立場が強い」となります。
子供は産まれた時から親の扶養家族に含まれ、親がいなければ、これまで生活することができませんでした。
まずこの事実がある以上、子供は一定の時期を過ぎると「親に対して遠慮の姿勢」が出てきます。これは早い場合で思春期頃、一般的には社会人になる青年期に現れます。
この親に対する遠慮の気持ちがあるからこそ、子供はあるていど成長すれば一人暮らしを始めようとします。
この場合の自立心が強いのは一般に女性(娘)と言われますが、仕事をして身を立てようとする気持ちは男性(息子)のほうが強いとされます。つまり息子も娘も自立については同じ心境を持つということ。
この絶対的な立場の違いによって、子供は自立するまで、親の強い立場の傘下にいることになります。
さて、この場合に子供にとって大きなストレスが生まれます。
その親に認めてもらえなければ、やはり自分の価値を疑うようになり、さらには家出をしようなどという気持ちにまで到達しなんとか自分の価値を確かめようとします。それはおおきなギクシャク感になるでしょう。
親子関係悪化によるストレス&お悩み解消法
さて、ここからは「親子関係悪化のストレス解消法」として、ここまでにお伝えしたギクシャク感や子供のストレスを、子供の視点から見てどのように解決できるかをご紹介します。
まず、親子関係を良いように捉えてみることです。
先述のように子供というのは「親が絶対者」と見るクセがあるので、子供としてはその視点をあえて外し、自分も1人の存在として、親と平等の立場にあると思いましょう。
本来ならば、こどもの自立に向けて親もこどもを一人の独立した存在だと認める必要があり、それが子供の正常な成長へと導くのです。
実際のところ、親のほうはそれほど子供を格下のように見ていません。むしろ親の方も成長し続ける子どもに対してどう接していいかと、日々悩んでいるものです。
ですから子供としてはその気持ちを汲むことも含め、大らかに構えてあげることです。
視点の切り替え、心境の持ち方によって、親とのギクシャク感は徐々に消えていきます。
自分で責任を持てる仕事を見付けること
子供が自立する場合、たいてい親は「自分で安定して生活できる土台を持つこと」に視点を当てます。
つまり仕事を持って、それなりに安定して生活できれば良いわけです。
この場合に大事なことは、「自分が責任をもって続けられる仕事を選ぶこと」です。
辞めてしまえば、そこでさらにギクシャク感が増える場合があります。
またこの場合に役立つ方法として、「趣味を仕事に置き換えてみる」という方法があります。
趣味というのは〝自分の好きな物事〟ですから、継続できる可能性がグンとアップします。
仕事に対する熱意や継続力があるという安定感を示す自分の姿を親に見せればそれだけで親は「ああ子供は上手く自立している」と次第に見るようになります。
諦めてはいけません。「うちの親はそんなに甘くない」などと言われるかもしれませんが、どんな仕事でも継続していけば必ず親は認めます。そして自分の子供をあるていど一人前として見るようになるでしょう。
まずは自立・独立するための懸橋を見付けることです。
自分の親から生まれてきたことを思い出す
これは少し哲学的な内容になりますが、軽い気持ちで読んでみて下さい。
人は誰でも、親を選んで生まれてくるわけではありません。
気付いたらその親のもとに生まれていて、自然にそこでの生活が始まることになります。
この点に注目しましょう。
たとえその親が自分を認めてくれなくても、その子供としては「自分が(その親に)頼んで生まれさせて」と言ったわけではありません。
ですから自分が親に認めてもらえなくても、またギクシャクした関係になった場合でも、そうなるのを自分で望んでしたわけでなく、「勝手にそうなった」と言えるのです。
つまり、そんな状況になるのは自分(子供)のせいじゃないわけです。
ギクシャク感や不和な状態が続いても、〝自然ににそんなふうになってしまっている〟くらいに軽く考えましょう。
そうすることで、余裕が生まれてきます。
そして次の姿勢が大切です。
「自分(子供)は父親と母親の絆を結び付けるためのための大切な結晶である」と信じること。
ここで言えるのは、父親にとっても母親にとっても「子供は何より大切な財産となる」ということです。
つまり子供というのは親にとって、かけがえのない宝であるとともに、常にそこに居るだけで感謝できる存在となるわけです。
この点を踏まえた上で心にゆとり持ち、親の自分に対する愛情をもう一度よく反省してみましょう。
そこからギクシャク感・不和が薄れるきっかけ、環境・状況の変化が生まれる場合が多々あります。
まとめ
いかがでしたか?
親子関係で生まれるギクシャク感・不和というものは、結局、その親子の間でしか解決できません。
つまり、人として言えば「親子ともに平等の立場であること」に変らず、平等・対等だからこそ、親も子も相手のことを真剣に考える土台を持ちます。
相手との関係を真剣に考えるということは、それだけ相手のことを大事に想っている証拠です。
親子関係についてはいろいろと言われるものですが、結局のところ上記に尽きます。
この点を深く考えてみて、自分と親の関係をもう一度冷静に眺めてみてください。
得てして自分が悩んでいた程には、そのギクシャク感は大きくないと感じられる場合もあることでしょう。
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